空手『形』の種類とオリンピックで披露した選手の『形』とは

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東京オリンピックから種目に追加された空手の『形』で日本男子喜友名諒選手が金メダル、女子清水希容選手が銀メダルと盛り上がった空手ですが、テレビで見ていてもこの『形』について全くわからなかった人も多かったと思います。

私もその一人ですが、〇〇流っていう流派があるみたいで流派によって『形』が違うということがテレビの解説者の方がおしゃってました。

この『形』についてどれだけの種類があってオリンピックで披露した選手の『形』はどれだったのかお伝え出来ればと思います。

 

 

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目次

1.空手には『形』と『組手』の2種類

空手には『形』『組手』の2種類あります。

空手と言ったら1対1でボコボコ手数を出して打ち合っているイメージないですか?

それが『組手』と言われる競技になります。

相手と対峙するので手に汗握る見応えのある試合ですが、打撃しているように見えますが組手のルールで寸止めが原則で故意に当てることはやってはいけません。

そんな組手よりも今回はよくわからない『形』について述べます。

 

2.オリンピックで新種目の『形』とは

形とは、仮想設定された敵を攻撃・防御・受け身など駆使して一連の動きを表現したものになります。

日頃の鍛錬で心技体をととのえ空手の基本動作と技、そして何より姿勢を身につけることを目的としており、組手のような実戦にも使える動きの基礎練習にもなっています。

勝敗を決める判定

競技時間は約3分で構成されている形を一人ずつ演舞して出来栄えを評価し勝敗を決めています。

演舞前に大きな声で形を宣言してからやらないと失格になるルールとなっているそうで、素人の私は『何て言うた?全然わからないなぁ』と感じましたが、多くの人もいたと思います。

 

採点のポイント

流派毎で演舞内容は違いますが、どれも技の正確性や意味、流派の特徴を表現しているかを求められています。

技の正確ー力強さースピードー迫力ーキレなどを審査員が評価して勝敗を決めている。

東京オリンピックでは無観客でやりましたが、空手の形に関してはザワザワする事もなく無観客正解だったと感じました。

選手の動きが力強く胴着の擦れた音や呼吸が聞こえてテレビで見ていても迫力は伝わりました。

 

3.空手の流派とは

空手の形には4大流派があります。

  • 剛柔流 (ごうじゅうりゅう)
  • 糸東流 (しとうりゅう)
  • 松濤館流(しょうとうかんりゅう)
  • 和道流 (わどうりゅう)

その他にも流派がいくつもあるそうですが、この4大流派について述べます。

 

剛柔流 (ごうじゅうりゅう)

流祖である宮城長順先生の遺訓であり基本理念は

『人に打たれず 人打たず ことなきを基とするなり』

これは謙虚な姿勢で相手と接して争いを避け目的を達成するような心がけをすることになります。

1860年代、東恩納寛量先生が沖縄から中国へ渡り南派少林拳リュウリュウコウ老師の弟子となって14年間修業したのが始まりとされています。

帰国後、那覇手の主流となって普及に尽力し現在は海外にも武術館あるくらいにまで成長しています。

海外はデンマークとチェコに剛柔流武術館があります。

 

・特徴

武道に於ける『気』『息』『体』の修練を目的として、威力ある技を身に付けるための呼吸法と姿勢を主とした基本鍛錬形で各種の受けと攻撃は手を開いた開掌や掌底となっています。

また、接近戦を得意とするため金的を防護する猫足立ちの構えが知られております。

形の数は10種類くらい。

 

糸東流 (しとうりゅう)

開祖は摩文仁賢和が首里手の大家・糸洲安恒について糸洲派を学び、そして那覇手を広めた東恩納寛量先生から東恩納派を学んだ。

その後も地方に隠れた形や技法について探究模索し、松村派や新垣派などを修め空手以外の武道を学び続け、全ての技術と精神を融合させたものとされています。

糸洲先生、東恩納先生の頭文字をとって『糸東流』となっています。

現在は日本以外でアメリカからアジア、ヨーロッパまで世界規模でも多い流派です。

 

・特徴

突き蹴りに限らず投げや逆技といった技術を含んだ総合武道で、わかりやすく言うなれば総合格闘技に値するのではないでしょうか。

『守』『破』『離』ー基本を忠実にそれを応用しそこから独立する

という言葉の基本を守り、組手と結びつけて作られ奥義までも修めることができる。

形の数は44種類くらい。

 

松濤館流 (しょうとうかんりゅう)

開祖は船越義珍先生と言われており自ら流派を名乗ることをしない『無流派主義』を貫いたとされています。

首里手の達人である安里安恒先生に師事していたため、首里手の特徴を多く受け継いでいる。

柔術や合気道の技法も組み込まれていることから自衛隊などでも取り入られています。

ちなみに極真空手はこの流派の技が組み込まれているそうです。

 

・特徴

自然な呼吸法と関節のバネを活かした素早い大きな動きで足技が多く、動きそのものが大きく迫力があります。

形の数は20種類くらい。

 

和道流 (わどうりゅう)

大塚博紀先生によって創始された沖縄伝来の唐手を日本武道の理合と技法により武道的な存在にした。

『敬』『愛』『禮』ー争うより至難の和を求める

争うことよりも難しい和を求めることを目的にし、時代の流れに即応した知識と困難に打ち克つ不屈の意思や頑健な身体を養成する。

 

・特徴

剣術か柔術などの日本の武道を空手に取り入れ日本化された空手。

流す、乗る、かわし、いなし、捌き(さばき)などを基本としており攻撃された技に対して体の捌きによって受け流し攻撃すること・形・組手が一体となって修練しています。

形の数は10種類くらい。

 

 

4.オリンピックで選手が披露した形とは

男子

選手名流派得点
1位喜友名諒劉衛流オーハンダイ28.72
2位ダミアン・キンテロ糸東流スーパーリンペイ27.66
3位アリエル・トーレスグディエレス糸東流アーナン26.72
3位アリ・ソフオール松濤館流五十四歩小27.26
4位アントニオホセ・ディアスフェルナンデス糸東流チャタンヤラクーサンクー26.34

女子

選手名流派得点
1位サンドラ・サンチェスハイメ糸東流チャタンヤラクーサンクー28.06
2位清水希容糸東流チャタンヤラクーサンクー27.88
3位

劉 慕裳

糸東流チャタンヤラクーサンクー26.94
3位ビビアナ・ボッターロ糸東流スーパーリンペイ26.48
4位ディララ・ボザン糸東流チャタンヤラクーサンクー26.52

 

ご覧の通り糸東流が世界規模で見ても一番多い流派であり形の種類も多いため主流の流派と見ることができるんではないでしょうか。

その中で喜友名諒選手の劉衛流という流派は異端と言われているくらい知られていません。

最後に喜友名諒選手の流派である劉衞流についてご紹介します。

 

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5.劉衛流(りゅうえいりゅう)とは

仲井間憲里先生が中国から沖縄に持ち帰って仲井間家に一子相伝で継承されてきた。

那覇手に属いているが独自の古武道体系を持っている。

特徴として、沖縄舞踊も取り入れられたひざの柔らかさや日頃の鍛錬による鍛え抜かれた肉体から生み出す力強さとスピードを武器に連続技が多い流派。

攻守を同時に繰り出すことで相手に攻撃するスキを与えない積極性もある。

沖縄県下に道場が12箇所あり沖縄では知られている流派である。

今回、喜友名諒選手が金メダルを取ったことで世界から注目されるのは間違いないでしょうし、門を叩く人が多くなることでしょう。

この先、オリンピックを始めとする大会に劉衛流派が出場することも楽しみですね。

 

6.Instagramで話題のGG佐藤氏

喜友名諒選手に似ていると話題のGG佐藤さんがインスタグラムに投稿した叫んでいる写真が話題です。

 

出典:GG佐藤インスタより

 

7.まとめ

空手の『形』がオリンピック新種目に追加されて、これから注目が高くなりそうな力強くて繊細な競技となることでしょう。

培った鍛錬の成果を発揮するため武士道という言葉が似合う日本のお家芸の一つとなってもらいたいと個人的に希望します。

東京オリンピックはコロナウィルスの影響もあって無観客でしたが、選手の息遣いなど聞こえることがないような音までテレビを通して聞くことができたのはよかったと思います。

 

 

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